八戸図書館寄贈本を粗末に扱い閉架で人目に触れさせず
八戸図書館寄贈本を粗末に扱い閉架で人目に触れさせず
読書の楽しみというのは古人との会話だ。

大衆文学大系という本が八戸図書館にあり、この本が面白い。冊数もありなかなか全体を見れないうちにこの本が閉架となった。
癌になり読み残しの本を集中的に読んだ。
勿論、この大系も読んだが、川口松太郎の鶴八鶴次郎にぶちあたった。
映画演劇でこの名を目にしたことがあったが、どういうことか、この本は読んだことがなかった。
この本に突き当たる前に、安藤鶴夫を漁った。この本は八戸図書館は欠本となっているのが、あんつる全集。この人は久保田万太郎のお弟子、新聞の芸能記者をおやりで、巷談本牧亭で第50回の直木賞を取る。虚々実々の作でどこまでが本当か、どこからが創作か判らぬが、案鶴の世界が連綿と展開され、何度読んだことか。味わい深い作で人生とはともかく生きることだと教える。
ロマンロランがいう、
ねえ君、くよくよするもんじゃない、肝心なことはねえ、望んだり生きたりすることにあきないことだよ。
あんつると同じに久保田のお弟子になったのが川口松太郎。
この人は私生児だが、苦にしない明るい性格、辛酸を楽しむ強さのある快活な性格、この人が若い頃の作、鶴八鶴次郎を書き、これが第一回の直木賞に輝く。
裂帛の気合い、間のない押しが息が切れるほどの緊迫感があり、芸という狭い世界に命をかける芸人を見事に描ききった。
百年もすれば誰も覚えても居ないような庶民の芸、新内という三味線を用いた歌謡の話だ。そんなものに命をかけ、それに命を燃やす女芸人鶴八に芸より安定した生活を大事にしろと、わざとつれなくして諭す鶴次郎の思い、伝わらぬもどかしさを一人心に納める鶴次郎の独白に松太郎の魂があった。
久保田万太郎、あんつる、川口松太郎、いずれも江戸から東京へと変わる世界の空気を昭和に見事に伝えた人々だった。
今では閉架書籍となって誰の目にも触れぬが、繙けば彼らの息づかいが耳元に響き、その拡張高い哲学が色とりどりに拡がる。
ここにこそ、本の面白さがあるが、八戸図書館職員は読書子ではなく、本の管理人のため本の面白さを知らぬため雑な扱いをする。
日本の名随筆というシリーズがあり、作品社から刊行され、これには多くの著名人が思い思いに意見を述べる。
また、編者に錚錚たる人物を配しテーマに沿った作品を掲載。これが実に面白く筑摩書房の編になる博打の話などのシリーズと双璧を張る。
作品社の随筆は小型本で装丁も気が利いていて実に手にする喜びが伝わる。八戸図書館のそれは、手垢に汚れ読者の興味を惹いたことが偲ばれる。
このシリーズも死ぬ前に読みたいと探すがない。いつの間にか閉架扱い。
図書館に行く楽しみは本屋にない喜びがあるからだ。それは書架いっぱいに並べられた全集の圧巻に触れることにある。
池波正太郎という流行作家は出版社に殺された。本屋の要求に従いあたら健康を縮めた。が、鬼平犯科帳の楽しさは、さすが池波さんと頷かせる。
何度読んでも楽しい本だ。
この作品社のシリーズ本に某氏が平成25年に寄贈とあった。ほとんど新刊そのままで、ページを繰る楽しさを味わった。
ところが、寄贈して5年も経過しないのに閉架扱い。
寄贈者は八戸の人々に読んで欲しくての寄贈だ。
そこで、図書館に訊いた。
小川真様
標記の件についてお答えいたします。
「寄贈本の閉架対応について」
「日本の名随筆 全100巻」は1986年~1991年に図書館で購入したものを所蔵しておりましたが、2013年に1巻~50巻までご寄贈いただき、図書館の蔵書より状態がよかったので、入れ替えました。
2013年にご寄贈いただいた時には、すでに図書館で購入したものは閉架書庫にあったことは記憶しておりますが、 1階開架から移動した時期につきましては、はっきりしません。申し訳ございません。

と、
言うことは閉架になっていたから寄贈された本も閉架にしたということだ。
こうした奴ばらよ、芥川龍之介が言う、私は読書子でありたかった。書き手の側になど廻りたくなかったと。漢籍を解釈し物語を作ったが、どこまでやれるかの不安が先に立ち、自殺という形になった。
本を読むことに無情の喜びを感じていた芥川、その志を継ぐのが無名な庶民、図書館に入り先人、古人との会話と対話を楽しむ読書子の喜びを管理人たる八戸職員の勝手な思い込みであたら某氏の深い篤志を亡じることなかれ。
寄贈はそれなりの思い入れがある。不要な本を押しつけたなどと解することなかれ。
努々わすれることなかれ。


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by jpn-kd | 2018-03-17 08:54 | 行政ネタ
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