消防団の協力金・負担金などの徴収は地方自治法第210条違反
消防団の協力金・負担金などの徴収は地方自治法第210条違反
「一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない」とされている総計予算主義に違反する。また、地方自治法2条16項は「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。」 他町村の例 岐阜県山県市の議会質問 ●消防団に対する寄付金の是非 印刷用 通告文 PDFファイル270KB 一般質問通告書 質問番号2番 答弁者 消防長 質問事項 消防団に対する寄付金の是非 《質問要旨》 消防団は、消防事務を処理するため設けられた機関(消防組織法(以下「法」)。第9条)であり、「消防団の設置、名称及び区域は、条例で定める」(法第18条)とされ、「消防団に要する費用は当該市町村が負担しなければならない」(法第8条)とされている。 非常勤の消防団員は特別職の公務員である(地方公務員法第3条第3項5号「非常勤の消防団員及び水防団員」)。 以上から、山県市は「山県市消防団の設置等に関する条例」を定めている。 「山県市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例」(平成15年4月1日条例第144号)において、報酬、費用弁償、公務災害補償、退職報償金等が整備されている。 以上で明らかな通り、消防団は名実ともに、山県市の行政組織の一部であり、行政機関としての規律に服する。 消防分団は、おおむね、自治会の連合のエリアで認識されるが、自治会から寄付金を得ている。 消防本部の調査では、H23年実績として、名称はいずれも「協力金」であり、市内の10分団のうち4分団(「部」単位もあり)が毎年の定額(団あたり約30万円から70万円)、6分団が一世帯当たり300円から1300円(団合計で約15万円から170万円)であり、ほとんどが単位自治会等から分団(一部は「部」)の口座に振り込まれ、その協力金の額は団員一人当たりにすると団によって約4000円から3万円である。 客観的にみれば、分団単位として一律に割り当てられているというしかない。 実際に、支払い拒否もくしは減額を求めたら、団からどうしてもこの額でと、強く求められ、継続して納付している事例もあったと聞く。 ところで、横浜地裁平成22年3月24日判決で、「(消防団員に報酬が支払われるようになった)平成20年の条例改正以降は,消防団が,本来業務のほか本来業務との関連が疑われる活動につき,市民等から慰労などの趣旨で直接寄附金を受領することは,違法となる余地がある」との司法判断を示した。歴史的な地域の慣習であるかどうかはともかく、この判示の主旨から、報酬が支払われる消防団は市の一機関であり、消防団員自体も特別職の地方公務員という身分だから、自治会からの直接の資金援助を受けることは出来ないと言われている。 1.割当的寄附金等の禁止に抵触する (1)「消防協力金」は、結局、地方財政法第4条の5で規定される「割当的寄附金等の禁止」 つまり、「割り当てて強制的に徴収(これに相当する行為を含む。)してはならない」に抵触していると考えるが市は、法令上、どのように考えるか。 (2)市は、このような「寄付」が続いていることをについてどう考えるのか。 2.市の一機関なのに寄付金として歳入されていない 「消防団に要する費用は山県市が負担しなければならない」(法第8条)の反面として、消防団が受け取った寄付金は、山県市が受けた寄付金としての歳入金収納が行なわれなければ違法となるのは当然である。これに反することは、地方自治法第210条「一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない」とされている総計予算主義に違反する。また、地方自治法2条16項は「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。」としている。 本件において、分団は、自治会の善意も含む協力金につき、全分団合計すると617万6200円を受領した(H23年度)にもかかわらず、その金銭を山県市の歳入金として収納することなく、各分団ごとに費消した。このことにより、山県市は寄付金としての歳入を受けるべき金額の損失を受けた(山県事務決裁規定によれば「寄付金の採納」に関する市長の権限は、10万円以上100万円未満は副市長、10万円未満は課長の専決とされている)。 団長は消防団の事務を統轄すべき任にあるが、このようなことが日常的に行われていることを承知していたから、分団長の金銭受領及び費消行為の管理を怠った責任がある。 山県市長は、協力金にかかる基本的事実関係や事案の構造を認識しており、任命権者として副市長、課長、団長に対する責任があり、承認権者として分団長らに対する責任がある。 結局、山県市は、市長、副市長、課長、団長及び分団長に対し不法行為による損害賠償請求権又は不当利得の返還請求権等を有するが、この権利の行使を怠っている。 このことは、市の審議会や委員会が住民からの寄付金を受けつつ同様の処理をしていたらどうなるかを考えたら明白である。 市は、「協力金」が市の会計に収入調停されていないことを、法令上どのように解釈し、説明するのか。 3.消防の必要経費は市が負担すべき 本件を具体的に点検すれば、山県市消防団分団会計事務マニュアル(H19.1.30 H21.4.20 改)には、前者「《分団会計で支出できる経費》」と後者「《分団で支出する必要がない経費》(市が対応するため、事務局へ連絡する。)」とに分けて明示されている。 しかし、その前者の中身はというと、市が公金で負担すべきものが多々あると見受ける。 例えば、平成22年度山県市消防団会計担当者会議資料(H22.4.24)には、「収入・・・ただし、慣例により部又は班単位で依頼を受けた事に対する報酬、手当は該当しない。」として、地域活動の手当等の対価は収入に計上しない旨だから、団員が行う防火水槽や消火栓の管理、ほか地域活動は広義の分団活動としてすら位置づけられていないのである。 (1)《私費か市費かの経費の分類基準》の見直しと関連のマニュアルの訂正が必要ではないか。 (2)(「消防団に要する費用は山県市が負担しなければならない」(法第8条)から、)今後は、団が必要とする経費は市がきちんと予算化して手当すべきではないのか。 4.条例改正すべき 消防団員は、公務員としての規律に服するわけだが、各自治体の「消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例」等をみると、「職務に関し、私に金品の寄贈若しくは酒食の接待を受け又はこれを請求しないこと」「消防団又は消防団員の名義をもって、みだりに寄付を募集・・しないこと」などの主旨を規定している。しかし、山県市の条例には、この種の明示はない。
by jpn-kd
| 2018-01-23 09:27
| 行政ネタ
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