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東日本大震災の津波で被災した八戸市の沿岸部で、避難所にいる住民の留守宅から、大型の薄型テレビや現金などが盗まれる事件が相次いで発生していることが15日、被害者らへの取材で分かった。復旧が遅れる停電の闇にまぎれた犯行とみられる。八戸署はすでに捜査を始め、パトロールを強化している同市の30代女性は、自宅から42型の液晶テレビやブランド品の腕時計などが盗まれた。犯人は、津波で壊れた玄関ドアか窓から侵入したらしい。
14日の日中に自宅を片付けたときは異常がなく、停電が続いているために避難所へ泊まり、15日朝に自宅へ再び戻ると、2階のテレビなどがなくなっていたという。
女性は「自宅の2階は無事で、『電気が通れば見られるね』と家族と話していたのに…。室内は(犯人の)靴跡の泥だらけ。タンスなどの引き出しを全部開けて物色したようだ」と話した。再発を防ぐため、玄関ドアに板を打ち付け、さらに壊れた冷蔵庫を置いた。
同市内の、15日も停電が続いた地区では、被災のため夜間は留守にしている住宅で被害が相次ぎ、「15日朝、タイヤのホイール、液晶テレビ、子どもの貯金箱がなくなっていた」(30代男性)「娘の家でテレビやパソコン、孫のお小遣い8千円が盗まれた」(70代女性)など、本紙取材では十数件の被害があるもよう。
八戸署は停電が続く地区での警戒を強化。市に対して、各避難所にいる住民に対し、「家を出る際は貴重品を持って、しっかり戸締まりをしてほしい」と呼び掛けるよう要請している。
東奥日報
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