人非人(にんぴにん)とは人の道にはずれたことをする人間を言う。都市整備部公園緑地課長の丸山と後村は同期、互いに切磋琢磨、いずれかが部長になり後塵を拝する。
それが後村が部長となり丸山は課長だ。
丸山が区画課長の時に、ズルイ田向土地整理組合に一杯食わされ動きが取れなかった。
この件を小川に持ち込んだのが当時都市整備課長の後村、部長には白髪鬼の妻神、役所としては万策尽きた。こうした時に奇抜な発想を持つ小川は頼りになると判断したのが後村。
小川にどんな奇策を弄するのか訊いた。特段秘すべき話でもないので、問われるままに回答。
それを逐一、後村は妻神に報告。
その場は役所の裏にあるそばや「おきな」だ。
彼ら二人が既に入り、入り口近くに陣取りヒソヒソ。
その隣の椅子に小川は案内された。
当然、やつら二人は固まった。気の毒なので、他の席に移動したのが小川だ。
やつらの話など聞きたくもない。
気楽な昼飯を食い終えた小川がおきなを出たが、やつら二人は尚もひそひそだ。