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第三篇は6話からなる
その中でも、この話は秀逸
どことなく、ほのぼのしたものを感ずる
火付盗賊改メの長官が、江戸を離れた駿河の国で、こともあろうに泥棒の片棒を担ぐ
着想の面白さとともに、長谷川平蔵に盗みの手口を伝授しようとする、老盗になんともいえぬ飄逸を感ずる
世の中は考え方一つ
母親からガミガミいわれ、ああしなければ、こうしてはいけないと、無理やり刷り込まれた世渡りの手段
それは、母親の考え方で、当人のものではない
うるさい母親から離れれば、元来の性格が芽吹く
喰って通ればそれでよし
なまじ、結婚して、子供でも生まれれば、自己を滅して、女の巣作りに振り回される
人生はないものねだり
子のない夫婦は、子を欲しがり、子に不良がでれば、子なんかいらなかったと悔む
毎日、同じ家に帰るのも、妙
女に縛られると、折角の人生修行、己が何であるかも知らずにお陀仏となる
喰えさえすりゃ、名誉も金も問題にはならない
土台、金の尻を追っても、世界中の金を手にできるものでもない
そこそこで、満足するのが長生きのコツ
そうしたことを教えるのが、この話
大体、池波はいう、乞食は三日やればやめられぬと
長谷川平蔵に、それを言わせる
このような、泥棒の側から見た話を書かせると、実に活き活きとした描写が、池波の真髄
何度読み返しても、実に飄々として富士山を真下の富士市で仰ぎ見るようなおおらかさがある
お勧めの話だ
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